【動画】 神秘が集う猛毒の楽園『熱水噴出孔』ってどんなトコ?

暗くて冷たい深海に、熱い水を噴き上げる猛毒の楽園があります。

3編に分けて生命・地球外生命体の鍵、金属の骨格を身に纏う錬金術師、人なら即お陀仏な独自の生態系
などをゆる~くご紹介。

ノア

今回は、この猛毒の楽園の仕組みをご紹介!

動画はこちら

目次

『熱水噴出孔とは?』- 火山活動のほとんどは海で起きている

簡単に言えば深い海の底にある、火山みたいな孔

その孔からは化学物質と熱が吹き出し
海の環境に多くの影響を与えています。

深海という暗く冷たい水の中で
モクモクと高温の煙を噴き上げる様は
まるで海底の火山

アメリカ海洋大気庁(NOAA)の科学者さん達によると
地球上の火山活動の約80%は、海で起きている可能性があるそうです。

M先生

一方、スミソニアン協会の地球火山活動プログラムでは
2025年の地上の火山噴火は71件

ノア

わかりやすくするために
複雑な前提をおいて、単純計算してみましょう!

M先生

火山活動の8割が海なら
年間およそ280件以上もの噴火が海底で起きていることに

熱水噴出孔が一番最初に発見されたのは1977年
場所はエクアドル沖にある、ガラパゴス諸島付近(水深約2,500m)。

他にも中央海嶺、環太平洋火山帯、日本の鹿児島など
火山付近の海底で発見されています。

ノア

鹿児島の熱水噴出孔は、とても浅い場所!

多くの熱水噴出孔は、水深2,000m〜3,000m
海の深い場所で発見されています。

M先生

対して、鹿児島の熱水噴出孔は水深200m付近で発見

ノア

その近さは、たぎりと呼ばれる
火山ガスの泡が海面に現れる

『熱水噴出孔の仕組み』- 3ステップで完成する孔

STEP
海底に浸透

冷たい海水(約2℃)が、海底の亀裂を通って浸透。

STEP
浸透した海水が、マグマで加熱

浸透した海水が、高温のマグマで熱されて上へ勢いよく昇ろうとします。

この時、熱された海水はたくさんの化学物質が含まれて栄養豊富に。

ノア

この時熱された海水は約400℃
付近の海水は約220度になる場合も!

STEP
地殻から飛び出して完成!

海底で勢いをつけた熱水が、地殻に孔を開けて噴出

これにて熱水噴出孔のできあがり!

(真面目にいうと)高温の液体は低温の液体よりも密度が低いため
浮力が大きくなり、勢いよく地殻に穴をあけて上昇します。

たけのこ

なんで、あついのに沸騰しないの?

M先生

それは圧力の存在があるから

圧力が高いと、水分子が蒸発して沸騰するために多くの熱が必要。

つまり、深く潜るほど圧力がかかり
同時に、沸点も高くなっていきます

ノア

暴れたいのに押さえつけられて
身動き取れない状態になってしまっているようなモノ

海面から深さ1kmでは310℃深さ6kmでは480℃ないと沸騰しません

そして熱水噴出孔から噴き出した熱水は、ただの熱い水ではなく
金属や化学物質をたっぷり含んでいます

人にとっては有害、一部の生物にとっては栄養豊富な水なのです。

ノア

その豊富さは、独自の生態系が築かれるほど

有毒物質を栄養に変えてしまう生物

管かと思ったら生物

鉱物をまとう海底のカタツムリじみた生物などが存在!

M先生

一見、生物というより機械じみた生態系の詳細は
『生態編』でお話しましょう

生物の栄養になるほどすごい水。
栄養はどこからきたのか?

それは、熱水噴出孔の仕組み

海水が溶岩に熱されるときに、周囲の岩石と激しい化学反応が開始。

岩石に含まれていた化学物質が海水に溶け出し
一部の化学物質は除去されます。
(マグネシウムイオンや硫酸イオンなど)

銅や鉄、硫黄、水素などは海水に含まれて
栄養満点な水の出来上がり!

その後、栄養満点な水は周囲の海水と混ざって
約60 °Cぐらいまで落ち着きます。

煙とチムニー

熱水噴出孔から噴き出す、ミネラル豊富な水は
煙突から勢いよく噴き出す煙のように見えませんか?

名前もチムニー煙突

ホワイトスモーカーブラックスモーカー
実にわかりやすい名前ですよね。

M先生

ですが、正確には煙ではなく熱水です

チムニー

煙突のように見える部分はチムニーといい
高さ数十mになることも

金属や硫黄を豊富に含む鉱物からできた姿は、まるで自然の鉱山煙突。

噴出孔の下から昇る熱水が銅、亜鉛、鉄などの金属を運び
熱水が海水と混ざることで
金属が硫黄と反応して、黒色の鉱物『金属硫化物』を形成します。

なんと、煙突ことチムニーは『鉱物が形成され続ける限り
にょきにょきと成長し続けます

ノア

1日30cmも大きく成長していく姿も
観測されているのだとか!

M先生

ただ、チムニーは脆いため
大きくなりすぎると倒れて壊れてしまうのだとか

ブラックスモーカー

約350~400℃高温の黒い熱水

硫化鉄の堆積物から形成されたチムニーから
勢いよく噴き出されます。

熱水に溶け込んだ金属が冷たい海水と反応して、硫化鉱物が粒子化
(鉄硫化物、鉛、銅など)

この粒子が『黒い煙』に見える正体です。

ホワイトスモーカー

250~300℃程の、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富な白い熱水

ブラックスモーカーより低温で
噴出の勢いもチムニーの大きさも控えめです。

バリウム、カルシウム、シリコンなどが含まれています。

ブラックスモーカーは金属が豊富に含まれていますが
ホワイトスモーカーにはあまり金属が含まれていません

ミネラルが豊富なため
ホワイトスモーカーの周りでは独自の生態系が築かれています。

拡散される熱水

M先生

実は、栄養満点の熱水チムニーだけから
出るわけではありません

ノア

場所によって、海底から直接染み出すことがあります。

じゅわじゅわと染み出すその熱水は
チムニーから噴出する、ブラックスモーカー・ホワイトスモーカーよりも
低温で流れも遅いです。

海底下で高温の流体が冷たい海水と混ざることで形成。

冷たい流体が海底から噴出する際、溶解していた金属が混合中に沈殿
海底に残るため、比較的透明な状態に。

ノア

その光景は、まるで深海に揺らめく陽炎のよう

拡散される熱水には硫化水素、メタン、水素、硫酸塩、酸素、硝酸塩などが含まれており
ホワイトスモーカーと同じく生態系に貢献しています。

本日の『かんそうぶん。』

ノア

自然の財宝じゃん
ロマンあるね

M先生

大抵、たどり着く前に悲惨な目に合いますけどね

たけのこ

ぷ……

参考文献(敬称略)

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この記事を書いた人

ノアのアバター ノア 海と宇宙の案内人

うんち、すき。おかしはもっとすき。
くさいのきらい。

動画見てくれるとうれしいな!

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